【完】クールな君に胸キュン中!
「はい。あたしなぬでいいです!
桐谷くん、ぜひあたしのことをなぬって呼んでください!」
手を組んで目をキラキラさせてお願いした。
すると桐谷くんは、目を見開いて驚いたあと、少しずつ調子が狂うかのように頬を赤く染めていく。
……彼のポーカーフェイスが崩れる瞬間。
「あんたバカだろ。誰が呼ぶか」
……あぁ、好きだなぁ。
桐谷くんを見るたびに、強くそう思う。
「好きです、桐谷くん」
「知ってる」
「あたしと付き合ってください」
「無理」
これで失恋何回目だろう?
だけど気にしない。だって本当に好きだから。
本気と書いて、〝マジ〟と読むほど好きだから。