【完】クールな君に胸キュン中!
「き……桐谷くんこそ、なぜここに?」
あえて、質問には答えず質問で返した。
恥ずかしさもあり、思わず目を逸らしてしまう。
「俺は今日日直だから、最後の授業で使った資料を返しに来ただけ」
……な、なんだと……!?
そう言えば確かに、社会科の授業で大きな資料とか使ってた!
それじゃあ桐谷くんは、ホントにただのとばっちりじゃないか!!
「ちゃんと答えたから、今度は俺の番」
そう言って桐谷くんは、ドアにトンっと手をつきあたしに詰め寄った。
「さっき、向こうにいたヤツに、俺のこと諦めないから自業自得……とか言われてたよね?
いったいどういうこと?」
またもやギクッと心臓が跳ねる。
今日でギックリ心臓2回目だ。
咎めるようなその口調から逃れるよう、あたしは目を泳がせた。