【完】クールな君に胸キュン中!
二人きりの教室に、静かに風が吹いてきた。
さっきと違っておだやかな風。
桐谷くん愛で熱くなったあたしの体を、ゆっくりと冷ましてくれるようだ。
……うぅ、寒い。
思わず身を縮こませると、何を思ったのか桐谷くんは椅子から立ち上がった。
そしてあたしが後回しにしようとしていた窓を、そっと閉めに行く。
振り返った彼は、外のオレンジ色の夕日とかぶってとてもキラキラして見えた。
「ボケッとしてないで早くその日誌を終わらせなよ。
じゃなきゃ、犯罪人のなぬさんにあれこれ注意できないんだけど」
……あぁ、きっと彼は気づいてくれたんだ。
あたしが寒がっていたことに。