イケメン×2+美少女

廊下。



「ほら、もう泣かないの。男の子でしょ?」



「…うぅ…え、みちゃん…」



俺は母さんの言葉を無視して泣き続けた。




ガラガラッ…



えみの病室の扉が開き、中からえみのお母さんが出てきた。




そして俺たちが座っている椅子にえみのお母さんも座った。




一息ついたあと、ゆっくり話し始めたえみのお母さん。




「さっきはごめんね?玲海くん…

えみね…事故で頭を打ったみたいで…
そのショックで…


記憶がないの…」




「…ねぇお母さん。記憶ってなぁに?」


まだ幼稚園児だった俺には記憶という言葉が分からなかった。




「…えみちゃんは何も覚えてないってことよ…」




何も…覚えてない…





< 75 / 252 >

この作品をシェア

pagetop