イケメン×2+美少女
廊下。
「ほら、もう泣かないの。男の子でしょ?」
「…うぅ…え、みちゃん…」
俺は母さんの言葉を無視して泣き続けた。
ガラガラッ…
えみの病室の扉が開き、中からえみのお母さんが出てきた。
そして俺たちが座っている椅子にえみのお母さんも座った。
一息ついたあと、ゆっくり話し始めたえみのお母さん。
「さっきはごめんね?玲海くん…
えみね…事故で頭を打ったみたいで…
そのショックで…
記憶がないの…」
「…ねぇお母さん。記憶ってなぁに?」
まだ幼稚園児だった俺には記憶という言葉が分からなかった。
「…えみちゃんは何も覚えてないってことよ…」
何も…覚えてない…