ただ君のそばにいたい
「その子は、5歳で捨てられた。
親にいらないって言われた施設で育った。
けど、その外見のせいで周りからは
さげすまれてきた。
だから、その子は自分を嫌いだった。
自分を嫌いなせいで
周りの子を受け入れようとはしなかった。
その子はいつもひとりで
誰とも関わろうとはしなかった。
だから、
施設の先生もその子のことを嫌ってた。
しばらくして、その子は親戚の人に引き取られることになった。
やっと居場所が見つかるかと思った
その子は初めて誰かに期待した。
けど、それは夢物語に過ぎなかった。
親戚の人に引き取られることになった理由は施設の先生が本当の親を知っていて
その子の本当の親がお金持ちで、
そのこを引き取りたくないがためにそのこをお金で売った。
お金をもらえると分かっていても
本当の子供じゃないから、
何かイライラするとすぐその子に
当たり散らして殴る蹴るを繰り返してた。
結局その子は耐えて耐えて我慢するしかなかった。
だから、その子は殴られることになれてしまった。
仕方ないって言い聞かせて。
毎日、
なんでお前なんか引き取ったんだ。
お前がいると空気が汚れる。
その顔のせいで家には何通もの手紙も電話も来てうんざりだ。
なんて色々な罵声を浴びてた。
好きでこんな顔になりたくなかった。
でも、こんな顔になった自分がいけないんだって自分を責めた。
けど…その子自身を見てくれた女の人がいた。
そのこを顔とかじゃなくて見てくれた人がいた。
その子は嬉しかった。
けど、その人は本当の親を知るとお金を要求した。
お金をもらえないと知ると急変した態度で親戚の人と同じように罵声を浴びせた。
…そして、捨てた。
それからその子は誰のことも信用しなくなって笑わなくなった。
だから、その子のことを好きだという男の子がいるけど、その子は今も怖がってる。
捨てられる悲しさとかじゃなく、
その人を傷つける怖さがあるんだって。
どう思う?」