ただ君のそばにいたい
「けど、それはいっときの夢だったんだ。
俺は幸せで忘れてたんだ。」
「オヤジの存在を。
俺が和華羽と付き合ってることを知って
別れろって言われた。
~お前は橋本グループの後継者だということを忘れるな。
桜庭和華羽がどうなってもいいなら好きにしろ~
って。」
「普通のオヤジなら勝手にするよ。
けどな、
親父の恐ろしさを
俺が一番良くわかってたから
そんなことできねぇ。
だから、和華羽に別れようって伝えたんだ
和華羽は全てわかってたみたいで
別れを受け入れた。」
~和華羽、ごめん。別れよ。
和華羽のこと守る力がない。
…うん。わかった。幸せになってね~
「そのあと、
俺が一番良くわかってたはずなのに
完璧主義のあいつのことをなめてた。」
「その次の日にさ、別れた次の日。
まだ傷心中だったのにさ。
俺は、どこの誰かも知らない奴と
婚約しなきゃいけないってことになった。
さすがにおれもきれたよ。
いい加減にしてくれって。」