庭師とお姫様 (naturally番外編)
愛した女性の忘れ形見を彼女の分まで可愛がる王。



もちろんそれを面白く思わないのは、正室をはじめとした正式な王家の女性たちだ。



だから、今回のミリザ姫の縁談話にも諸手を挙げて賛成した。

これで下賎の血を王家から追い出せる……と。



優しく強く気高かった母親はミリザ姫の誇り。
それを馬鹿にされるのが、姫にとっては何より辛かった。



だから、侍女たちの噂話で自分に待ち受ける運命や、亡き母親のことを一気に思い出してしまう。



こんな風に悲しかったり苦しかったり……そんな感情に押し潰されそうになる時。
ミリザ姫は必ず、とある場所に向かうのだった。




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