庭師とお姫様 (naturally番外編)
シェナがマーセル国に渡ってから半年後。



ミリザ姫は一人で城の中庭を散歩していた。



今までならその傍らにはシェナが居て。
姫のする他愛ないお喋りに、微笑みを浮かべながら相槌を打ってくれるのが恒例だった。




真面目なシェナは立場を重んじてか、あまり沢山話す方ではなかった。




それでも、国外追放を言い渡された自分を擁護してくれたミリザ姫へのシェナの忠誠心は強く。
それを感じていたミリザ姫との信頼関係は強く結びついていたのだ。




だから、シェナの居なくなったこの半年間。
ミリザ姫は心のどこかに穴が空いたような喪失感を感じずには居られなかった。



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