庭師とお姫様 (naturally番外編)
つい先日。
父であるクロチェ国の王の自室にミリザ姫は呼び出された。
「お呼びですか? お父様」
訪ねた父の顔はいつになく神妙で。
ミリザ姫は浮かべた微笑みの奥で、言い知れぬ不安を感じていた。
それが取り越し苦労であってほしい。
……そんなミリザ姫の希望とは裏腹に、
「実はお前に縁談の話が来ておる」
父の口から切り出されたのは、長く自国と冷戦状態にある国からの婚姻の申し出だった。
これは言わずもがなで政略結婚だ。
和睦といえば耳障りが良いが。
クロチェ国の姫を娶りたいという条件は言わば、クロチェ国にくれぐれもおかしな気を起こさせないようにという牽制。
つまりは人質ということだ。
父であるクロチェ国の王の自室にミリザ姫は呼び出された。
「お呼びですか? お父様」
訪ねた父の顔はいつになく神妙で。
ミリザ姫は浮かべた微笑みの奥で、言い知れぬ不安を感じていた。
それが取り越し苦労であってほしい。
……そんなミリザ姫の希望とは裏腹に、
「実はお前に縁談の話が来ておる」
父の口から切り出されたのは、長く自国と冷戦状態にある国からの婚姻の申し出だった。
これは言わずもがなで政略結婚だ。
和睦といえば耳障りが良いが。
クロチェ国の姫を娶りたいという条件は言わば、クロチェ国にくれぐれもおかしな気を起こさせないようにという牽制。
つまりは人質ということだ。