庭師とお姫様 (naturally番外編)
そんな彼女の勇気と優しさに王は胸を打たれ、一目で惹かれていった。



それから従者や城内の人間の目を盗んでは彼女に会いに行き、密かに愛を育んでいく。



側室として娶りたいと強く願う王に、



「わたしは今のままで十分幸せです」



と、決して彼女は首を縦に振ろうとはしなかった。




それはミリザ姫が生まれてからも同じこと。
自分が不治の病で倒れるまで、彼女は一人でミリザ姫を育ていったのだ。



結局、ミリザ姫の母親は生きて王家に嫁ぐことはなく。


母親と死に別れてしまった娘のミリザ姫だけが、第四王女として迎えられることになった。


< 9 / 70 >

この作品をシェア

pagetop