歌舞伎脚本 老いたる源氏

第五幕冥府1

役名

 冷泉
 夕霧
 玉鬘
 明石の中宮
 秋好む中宮
 惟光
 お市
 薫
 僧
 その他大勢


(本舞台三間の間 嵯峨野の小さな庵 藁葺の二重屋台
箪笥 仏壇 衝立 床敷き 源氏窓 上がり石 水瓶 おくど
中央に棺 僧1人枕経を読んでいる 通夜の装いよろしく 道具収まる)

(冷泉 秋好む中宮 玉鬘 あとから明石のお方と中宮が匂宮を連れて加わる
夕霧 惟光 お市 他人々外まであふれている。遠見夜)



僧「而告之言 汝等諦聴 如来秘密 神通之力 
一切世間 天人及 阿修羅 皆謂今釈迦牟尼佛
出釋氏宮 去伽耶城 不遠 座於道場 得阿・・」

(その間に焼香が始まり樒を一人ずつ棺に納めていきます。
蓋がされ釘打たれ棺は親族に担がれて庵を出ていきます。
僧と棺の後に皆が続き橋掛かりに消えていきます。
皆消えて遠見に赤い炎が上がります。トその時)

薫 父上ー!父上ー!
(鳥屋から発声し、橋掛かりから人出で)
人 薫様じゃー!

(薫、馬に乗り、父上ー!と叫びながら花道から橋掛かりへと消える)

                          幕  つなぎ
< 23 / 33 >

この作品をシェア

pagetop