粉雪のファンタジー
あの日俺は、
学生時代の先輩と
久しぶりに会う
事になっていた。
こんな事は滅多に、無いんだけど。
俺はこれでも
売れッ子のカメラマンで、毎日結構忙しい。
だから今日の
オフも本当に偶然。俺は待ち合わせ場所の、
カフェバーへ
急いだ。
『オーイ!涼!
こっちこっちー!』
『先輩!
すみません!
遅くなって~』
『いいよ。お前、
売れっ子だから、
しゃあねーよ!』
『いえ、そんな!』
『ん?涼どうした?お前固まって。笑っ』
『あの先輩…?
そちらの美しい女性は…?まさか、
先輩の彼女さんとかですか…?』
『---あ---
忘れてた!』
『---酷---』
『コイツ俺の彼女、速水雪♪
綺麗だろ~♪』
『そうなんすか?
先輩の彼女…?』
『---はは---嘘だよ。笑っ
彼女って言いたいけど、イトコ!
俺の。』
『……』
『なんだよ、涼?
お前も雪に一目惚れか~?』
『……』
『涼♪お前、
解りやす~。笑っ
紹介しよっか?
今この場で♪』
『……ハイ!……』
と、俺は迷う事無く答えて居た。
そのくらい雪は
名前の通り、
真っ白で美しい女だった。
俺はここまで
美しい女は、
今まで逢った事が
なかった。
『こいつ俺の後輩で売れッ子カメラマン。
イケメンだろ?
オイ!涼!
名前ぐらい
テメーで言え!』
『…あッ…
高杉涼です。23歳。よろしく…』
『…ねえ…
雪?涼おまえに
一目惚れしたんだって。
付き合う?おまえ今彼氏いないんだろ?』
『…よろしくね。
涼くん。雪です。
でもこんな
イケメンくんなら、彼女いるんでしょ?』
『…いないよ…
信じてよ。』
『ホント…?
涼くん。』
『……好きな奴は出来た……
たった今……』
『…雪…こいつ
マジ今いねーよ?
いい奴だから。』
『---少し---考えさせて。』
『あ、勿論です。』
こうして俺達は、
久しぶりに2時間ほど語らい、お開きにした。
俺と雪は
携番を交換して
別れた。
『じゃあな!
涼~悪かったな?
呼び出して。
また連絡するわ!』
『いえ、楽しかったですよ。また。』
これが俺と、
余りにも美し過ぎる女、雪との
最初の出逢いだった。