いとし君へ




俺と瑠唯。

並んで廊下を歩いていると、いつの間にか休み時間になったここは教室から出て来た生徒で一気に溢れかえる。共なれば聞こえて来るのは女たちの黄色い声。


「きゃーっ!RFの二人だーっ」

「奏様、今日も素敵!!」

「瑠唯くん、こっち向いてー!」



飛んできた喧しいその声に顔を顰める俺に対し、瑠唯は笑顔をで手なんか振るもんだから、女どもは益々付け上がって騒ぐ一方だ。

まぁそれもいい加減慣れてきたけど。


ちなみにRFは、Royal Familyの略。
だれが言い出したのか知らないが、バカ丸出しで呆れて物も言えない。


そんな連中を無視して辿り着いたのは、溜まり場に使っている空き教室。と言ってもただ単に使われていない場所というわけではなく、俺たちが快適に過ごせるための設備を整えてある。

この学園では王座の間、なんて呼ばれてるらしいけど。


ガラリとその戸を開ければ、中にいたのは樹生と一真の二人。


「おー、やっと来たぁ」

「早く始めようぜ」




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