いとし君へ
四月、高3になった俺たち。
つまり同時に新入生が入って来たと言う事だ。
この学園は県内一のマンモス校で、毎年500人を超える生徒が入学してくる。ちなみに年々男子より女子の入学率が高まり、一学年の男女の割合は今年の新入生に関して言えば半数以上を女が占めている。
そこでだ。
18クラスある一年の教室を一つずつ回り、その中で気に入った女を片っ端から狩っていこうと言いだした一真に、俺も乗っかったってわけ。
「じゃあ今日は7組からかな?」
「さぁ可愛い子羊ちゃん出ておいで~」
「…あほ」
既に昨日までで6クラスの狩を終えていた俺たちは、今日のターゲットである1-7と書かれた教室のドアを開けた。
ガラッ
「きゃーっ!!」
「鴻上先輩たちだっ」
途端に色めき立つ教室内。
俺たちが狩をしていると言う噂は瞬く間に広がり、こうして各教室を訪れる度に期待を露わにした女の声が響く。