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「子供の頃、何になりたかった?」


懐かしい曲が流れ子供の頃を思い出したのか青木が私に聞いてきた。


「ケーキ屋さんだったかな。毎日ケーキが食べられるって単純な理由で。青木君は?」


小学生の頃の懐かしい願望を思い出した。


「大工」


「お父さんが大工さんだったの?」


「ううん、違う。幼稚園の頃に近所に家が建ったんだよね。最初は何にもない更地だったのに行く度に変わってて最後には家が出来て凄いなーって。子供ながらに大工のおじさん達、尊敬してた。小学生の頃まで本気で大工になりたいって思ってた。だけど気付いちゃったんだよね、俺、工作苦手で不器用だってさ」


「何でも器用に出来そうなイメージなのに上手く行かないね、人生って」


「人生ってそんな大層な話しでもないけどね」


ハハハと笑う青木。


懐かしい曲と綺麗過ぎる夜景。


昔の頑張ってた自分を思い出し
ちょっぴり、センチな気分になった。


綺麗過ぎる夜景をずっと眺めた。








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