屋上で待ってる






カツカツと、古びた階段を登る。




ほとんどの生徒から忘れられた存在の、うちの学校の屋上には、テスト前後でよくお世話になった。




階段を一段一段、確認するように登りながら思い出す。




放課後、私が屋上に行くと、必ず蓮がいて、二人で馬鹿な話をいっぱいした。



それが壊れたのが、つい一週間前のことだった。




いつもと変わらない日常のはずだったのに、蓮の好きな人を知って、挙げ句応援までして…




そして三日前、私は自分の気持ちを自覚した。





それからは行っていない。



たった三日だけど、何だか懐かしいような気分だ。












私は、ゆっくりとドアを開けた──。












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