屋上で待ってる
「─へぇ~…そんな出会いがあったんだ。世の中何があるか分かりませんなぁ。」
「友ちゃんばばくさい。」
昨日の出来事を話すと、感心したような声を上げてほほう、と笑った目の前の友人。
彼女は私の部活友達で、高校に入ってから出来た友達の中では一番仲が良い。
「でも、私も驚いたなぁ。」
私の隣に座っている芽衣も、友ちゃんと同じように声を上げて私は少しきょとんとした。
今日は昨日と打って変わって良い天気。
三人で中庭でお昼を食べようと集まった昼休みは、いつもより明るく見える気がする。
「なんていうか…夕って、初対面の人とは距離置くイメージがあるから。」
「あー、たしかに!」
友ちゃんも同意する。
そんな二人の言葉に、自分でもたしかにそうだよなあ、と考える。
思えば思うほど、昨日のあの屋上での出来事は夢のような気がしてくるから。