屋上で待ってる







「─へぇ~…そんな出会いがあったんだ。世の中何があるか分かりませんなぁ。」



「友ちゃんばばくさい。」



昨日の出来事を話すと、感心したような声を上げてほほう、と笑った目の前の友人。




彼女は私の部活友達で、高校に入ってから出来た友達の中では一番仲が良い。




「でも、私も驚いたなぁ。」




私の隣に座っている芽衣も、友ちゃんと同じように声を上げて私は少しきょとんとした。




今日は昨日と打って変わって良い天気。



三人で中庭でお昼を食べようと集まった昼休みは、いつもより明るく見える気がする。





「なんていうか…夕って、初対面の人とは距離置くイメージがあるから。」



「あー、たしかに!」



友ちゃんも同意する。



そんな二人の言葉に、自分でもたしかにそうだよなあ、と考える。



思えば思うほど、昨日のあの屋上での出来事は夢のような気がしてくるから。









< 24 / 77 >

この作品をシェア

pagetop