屋上で待ってる
「夕~、その人の特徴とかないの?
夕の興味を引く男、知りたいわ~。」
「興味って…
うーん、そうだな…」
さらさらの茶髪は天使の輪が輝いていて、背が高くて、色が白くて……
「目が、優しい人だったなぁ…」
思い出すように言うと、友ちゃんと芽衣は顔を見合わせ、
「夕をこんな乙女にするなんて…私も、その人みてみたいかも!」
「め、芽衣まで?
ていうか、乙女って…」
あの先輩に対してそういう感情は湧かない。
だって私はまだ…
私が表情を暗くしたためか、友ちゃんが私をビシリと指さして言った。
「夕、これは夕が変わってきてる兆しなんだよ!
今まで男は戸川君しか見えてなかった夕が、別の男に目を向けるようになったんだから。」
そうだよね…
そろそろ別の人に目を向けるべきなんだろうな。
あの先輩が言ってた変わるって、この事を言ってたんだろうか?
友ちゃんは、なんでもはっきり言うから気を使わなくていいし、一緒にいて楽だ。