屋上で待ってる
「─分かった!!」
「って、わあっ!
友ちゃん驚かせないで!」
今さっき一人で唸っていた友ちゃんが、いつのまにか後ろから覗きこんできて、そして叫んだ。
私と芽衣は思わずびくっとしてしまう。
「ていうか、分かったって何が?」
「夕の言う"先輩"が誰なのか!」
え、
「マジで?」
「写真みて、確信した。
写真部の人だよ。」
「写真部って…あ!」
どうやら芽衣も分かったらしく、私だけがはてなが浮かぶ。
「…本当に戸川君しか見てなかったんだね。」
友ちゃんから言わせれば、知らないことがあり得ないくらいのようで。
蓮の名前が出てびくっとなってしまう。
「ま、それは置いておいて!
先輩の名前は…──」
教えてもらった名前をしっかり頭にインプットした。