屋上で待ってる
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その日の放課後。
ニヤニヤした笑顔を浮かべた友ちゃんと芽衣に、とりあえず行ってこい、と押されて私は屋上に来ていた。
とは言え、今日は夏休み前の貴重な部活の日なので、そんなに長くはいるつもりはない。
昨日の今日で来てみたけど、本当に居るんだろうか?
『またここにおいで──待ってるから。』
…きっと、いるはず。
ゆっくりと扉を開けた。
「待ってたよ、中原さん。」
ほらね。
「昨日ぶりですね、
──露村時雨(ツユムラシグレ)先輩。」