屋上で待ってる






「あれ、もう名前ばれちゃったか。」




いたづらがばれた子供のような表情を見せる露村先輩は、今日は白いシャツを捲っている。



昨日はベストを来ていたから、今日はなんだかそれだけで色っぽい。



この人は本当に高三なのだろうか。





「今日は晴れたね~。
そこ暑いでしょ?こっちの日陰においで。」



ひとまず先輩のそばに行き、隣に腰掛ける。




「あの、昨日はありがとうございました。」




とにかく昨日のお礼を、と思ってまずそう言うと、先輩はいたづらっぽく笑った。




「律儀だなぁ、中原さんは。
昨日のは、俺が中原さんと話したかっただかだから、お礼を言われるほどのことじゃないよ。」




「…昨日から疑問に思ってたんですけど、先輩はなんでそんなに私のこと知ってるんですか?」




昨日の出会いから疑問に思っていること。


あんなに細かいことまで、一体誰が知ってるんだか。



「うーん。そうだな。…企業秘密で。」




「えー?」




なんだか、昨日と違って、先輩はちょっと意地悪で楽しそう。











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