屋上で待ってる
──書道部の部室で、畳をバシバシ叩きながら叫ぶ者が、一人。
「あー!!ずるい!ずるいよ~…」
少し遅れて部室に入ると、早速友ちゃんからの質問責めにあった私は、苦笑しながら説明した。
「そんなに大したことは話してないじゃんか。」
思わずほろりと言葉を溢すと、友ちゃんはガバッと顔を上げた。
「大したことは話してない…だと!?
馬鹿なの!?夕馬鹿でしょ!!」
「え?」
「露村先輩、女子に興味ない変わり者として有名なんだよ。
なのに、あんたは…ああ、羨ましい…」
…なるほど。
つまり私は女子に見られてないのか。
だとしたら、あの優しい目は妹的な意味合いなのかも。
女として見られてないのは若干寂しいものがあるけど、何となくしっくりくるものがあった。
「え、待って夕。
なに納得した顔してんの。
…絶対勘違いしてるよね!?」
その後、先生が来るまでの準備中、友ちゃんは何故か、余計なこといった、と悔やんでいた。