屋上で待ってる
部活帰り、私は電車に揺られながらボーッと考えていた。
『いってらっしゃい。』
と、先輩は言っていた。
私はそれに、
『行ってきます。』
って、返したんだ。
てことは、ただいまって、いってもいいんだろうか。
私のこの変化を、きっかけをくれた先輩に報告したくて。
うずうずと動くこの感情を、早く確かめたくて仕方なかった。
きっと、先輩はまた居る。
そんな気がした。
《次は、===駅、===駅に停まります。===線にお乗り換えのお客様は──》
…よし。
少しの決意をもって、電車を降りる。
明日も、あの屋上に行こう。
そう決めて。
──そして、この決意をきっかけに、屋上で毎日先輩に会うようになっていったのだった。