屋上で待ってる
…うん。もう大丈夫だ。
「露村先輩。」
「ん?」
「ありがとうございます。」
「…うん。」
先輩は、最後に少しだけ乱暴に私の髪をくしゃっとした。
そして、勇気をくれる。
「今夜は、晴れるから。」
その言葉と、柔らかい笑顔を貰ったから、もう大丈夫。
「そういえば、今日部活は?」
先輩の疑問に、私は苦笑いをかえす。
「今日は休めって、友ちゃん…あ、友達が。私は大丈夫って言ったんですけどね」
「まあ昨日の今日だし、ね。
彼女はたしかに止めそうだ。」
「え?」
「あ」
彼女…って、あれ?
私友ちゃんのこと話したことないと思うんだけど…
まるで知っている口振りに、首を傾げると、先輩は慌て出した。
「えーと、ね、彼女色々知ってるから、ちょっと前に、ね。はは。」
なんか今ので、色々察した。
友ちゃんじゃなきゃ、私の個人情報を細かく知らないはずだもね…盲点だった。
「彼女のことは叱らないであげて」
「…分かりました。」
先輩に言われたら、仕方ない。
友ちゃんには代わりにジュース奢ってもらうことで手を打とう。