屋上で待ってる
帰りの電車で、私は一つの二件のメールとメッセージを作成した。
ひとつのメールは、瀬川さんに。
今まで気持ちを隠していたこと、自分の思いを正直に書いた。
書いて送ってしまえば、案外罪悪感はなかった。
気持ちを隠すことの方が、やっぱ疲れるものなんだな。
メッセージは、我が親友たちに。
明日は土曜だから会わないけど、週明けそわそわした顔で報告を待つ二人が容易に想像できる。
そして、最後のメールは。
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To:戸川 蓮
From:中原 夕
Title:
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久しぶり~
今から蓮の家に行くか
らお茶用意して待って
て笑
話したいことがあるん
だ
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メールを送信して、外を見やる。
電車の窓から見える、雲の切れ間から漏れるオレンジ色の光が少し眩しい。
「きっと、晴れるよ。」
呟いた言葉は、送信ボタンを押す手が少し震えた私に、ゆっくりと染み渡った。