星の印〜陰陽師其の弍〜
現在
麗らかな春の日の休日。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
神楽麟、高校二年生は川沿いの土手を転がっていた。
「うぅ…いったぁー…」
神楽家跡取りとして生まれた麟は、一人前の陰陽師になるため、現在修行中。
陰陽師は主に、妖(妖怪や霊)の退治をなりわいとしている一族。
術式は、札、言霊、陣の三種類に分かれていて、毎日たくさんの人が妖退治志願に来る。
日本中に妖がいて、力が弱いもの達が多いが、中には力を持った妖もいる。
普通は山にいるが街に来て、悪さをする妖もいるのだ。
麟はその修行中、術に失敗して河原の土手から転がり落ちてしまったのである。