星の印〜陰陽師其の弍〜



「麟、大丈夫ですか?」



麟の幼馴染の上条由良が、そばに駆け寄ってくる。

由来は、麟と同じく陰陽師。

毎日麟と修行している。



「だから、危ないと言ったんですよ」

「だってさぁー」



由来は、ぶつぶつ文句を言う麟の手を引く。



「まったく。なぜ麟に星の印が出たんでしょうね…」



と、深いため息とつきながら由来は麟を見た。

麟は星の印を左の掌に持っている。

稀にしか出ない貴重な模様らしい。

しかもこの星の印は、陰陽師にしか見えない。

星の印が身体にどのように影響するかは、まだ分かっていない。



「そろそろ帰りましょうか」

「うん、そうだね」



遠くに沈む太陽を見ながら、二人は家路についた。


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