星の印〜陰陽師其の弍〜
「!?」
麟と由来は驚きで言葉を失う。
緋鳥からは瘴気が溢れ出ていて、目はるりが言っていた様に赤く、体の回りは黒い紐のようなものが巻きついている。
それはよく見ると、黒い鎖だった。
今の緋鳥はどうみても理性を失った妖にしか見えず、土地神だったことが嘘のようだ。
緋鳥は荒く息をしながら、もがく様にバタバタと翼を上下させている。
体長が二メートルぐらいあるからとても圧倒される。
緋鳥はそのままじりじりと近づいてきた。
麟と由来もそのままゆっくり後ろに下がる。