星の印〜陰陽師其の弍〜
「あっ!」
不意に木の根に足を取られ、麟の体が後ろに傾く。
それが合図かのように、緋鳥が麟を目がけて翼を振り下ろした。
「麟!」
由来が麟の名前を叫ぶ。
もう、駄目だ…!
麟はぎゅっと目を瞑り、そのまま後ろに倒れる。
でも、覚悟していた痛みは全くない。
え…?
背中にはふかふかな草の感覚があるだけ。
「おい。大丈夫か?」
…この声
麟がそっと目を開けると、目の前に陰陽師――藤宮真白が立っていた。