純恋~sumire~
「須藤??」






ハッ







羽沢の声で我に返った。









「なんでもないよ!」









「そか」


「うん」










そんな時


ふと


達也の顔が頭をよぎった。







達也は…






達也はぁたしの異変にすぐ気が付いてくれた。




「どうした?」



って優しく頭を撫でてくれたね。



ぁの大きな手がたまらなく好きでした。







「あッ……」


気付いたら涙が零れ落ちていた。



「おい!?」


さすがの羽沢も驚いてあたふたしてた。


「なんでも…なぃ…ッ…」



「なんでもないって顔してねぇだろ!?」



「ほんとに・・なんでもないのッ…」





かまわないで…


ぁたしに


かまわないで―…






「…須藤…」



「ごっ…めんね…」





“ごめんね"


そんな気持ちは全くなかったけれど


自然と口からそんな言葉が出た。




「よし!」




「???」



何かを思いついたように羽沢が立ち上がった。




「行くぞ!」



「へっ!?」





ええええええええええええええええええ!???






羽沢はぁたしに声をかけて


いきなり走り出した。
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