恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
「団子とお茶を出す『峠の茶屋』なんてどうですか?」

「何それ?」

「ほら時代劇にあるじゃないですか、

 お侍さんとかが休憩する感じの。水戸黄門とかによく出てくる」

「ああ、おじいさんと孫娘見たいのが、やってて、

 お侍さんが、よいではないか良いではないかってやつ?」

「??それはどうかなあ?」

「野里奈ちゃんはなんか、

 変な番組見てるんじゃない?」

「ばか殿様でみたよ。みんなで具志堅サンバ踊るでしょ?」

「ああ、ちがうちがう、なんかもっとおかしくなってきた。」

あたしたちの会話を聞いていた先輩たちが、

ヒーヒー

お腹を抱えながら大笑いしてたけど、

部長が、

「それ結構いい案かも。

 会議室借りてやろうよ。

 小さな舞台作って、

 踊りとかお笑いとかやって、

 お茶とお団子出すの。

 ここ学校の奥だから、

 峠の茶屋っていうのもいいネーミングよね。

 峠の茶屋劇場とかでどうかな?

 いや、いいっ!

 絶対来る!

 あんたたちのわけのわからない漫才も是非やろう!

 でかした一年!」

部長にギュッと抱きしめられたあたしたちは

でへへと頭を掻いた。




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