恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
「ごめんなさい」

天使の条件に、首を横に振るなんてこと、

することなんてありえない。

でも。

できないものはできない。


『あの、シールくれない?』

そう言われても、

あの、シールって金のエンジェル。

あげたいのは山々なんだけど、

もうすでに手元にはなくて、

そう、

年甲斐もなく応募してしまった。


「もう、持ってないです。」

「そうか、なんだ。」

ええっなんでそんなに残念そうなんだろう。

「あいつ、

 この間一緒にいたやつがさ、」

大天使のことだよね。


「めったに見ることができないもので、

 一度でいいから見たかったなんて言ってたから。

 そっかないならしょうがないか、

 じゃあ、この話もなかったことに……」

立ち上がろうとした天使の手にすがりついた。


「あのあのあのっそのうち届くと思うんで、

 実物でよければ、差し上げますけど?」

「ホントにか!」

神々しい笑顔で、

あたしの手を握った。

ああ、神様、金のエンジェルを授けてくださりありがとうございます。

今日はお風呂に入ったら手を濡らさないようにするぞ。

心に決めた。








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