恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
「どぉ-ん!」

呆然とするあたしをみつけて、
野里奈ちゃんはボディアタック掛けてきた。

その勢いにすっ飛ばされたあたしは、校門に激突しそうになった。


「もぉっ野里奈ちゃ~ん」


「さっき天使に会ったから、

 バック返したけど、

 大丈夫なんだよね?」


「……ん、OKだって言ってた。」


「おおっでかしたっ、って?

 なんでそんなボーっとしてるの?」


「天使がっ……」


ささやいたの、

笑いかけたの、

約束したの、

チョップしたの、


「セ、セイって呼べって~!」

「おおそうかそうか、

 ね?天使じゃなかったでしょ

 普通の男子だったでしょう?」

あたしはプルプルと大きく首を振って

「小悪魔だった。」


あたしはそういいながら

さっきのやり取りを思い出しながら、

再び真っ赤になって、

叫んだ。

「どうしよう!

 あたし今日から手洗えないっ

 頭も洗えないっ」

「洗いなさい!汚女子になる気か!」

野里奈ちゃんは

ええいっ

と言いながら

天使が触れた頭頂部をガシガシとこすりあげた。


「や~んやめてやめてっ

 野里奈ちゃ~んっ

 洗いますっ洗うからっ」

折角の感覚が消えてしまうくらいしつこく

こすられ、


高笑いとともに

解放された時にはもうぼろぼろだった。

あ、悪魔だ……


ここにも1人小悪魔がいたよ……





 







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