恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
チャイムが鳴り、

暫くすると、発声練習の声が聞こえてきた。

渡り廊下から音楽室のある新校舎を見上げた。

「さぼっちゃった……」

いい加減な私だけど、

こんな風に授業さぼっちゃったの初めて。

これからどうしよう?

途方に暮れてしまう。


「堂々とさぼりとは、

 いい度胸だな。

 いつもこんなことやってんの?」

「まさ……あっ」

天使がつまらなそうに渡り廊下の柱をつかんでグルンと回った。

逃げたのに、

逃げれてないじゃんあたし。

無駄にさぼってしまった。

バカバカあたしっ。

「天使っ……いえっ、沢口先輩こそっ

 さぼっちゃってるんですか?」

「不審者みつけたから捕まえに来た。」

「不審者って?」

「お前!」

「あ、あたしっ?」

「俺の顔見て逃げ出したろ?」


ひゃ~~ば、ばれてるっ


「何?なんか後ろめたいことでもあるの?」


「え、ええとっ」




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