恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
職員室から紙袋を抱きながら、

教室に戻る途中、

ふと見た屋上に、

ふわふわと風邪に髪をなびかせた天使様が、

空を見上げていた。



抜けるような青空に、

溶け込んでしまいそうな、

奇蹟的に近い光景をあたしは、

独り占めする幸運にうちふるえ見つめた。


なんてすてきなの


『セイって呼べよ』

あの人はそう言った。


「セイ」





わあ、あたし心の声でてた?


と、あたふたしてたら、

声の主はあたしじゃなかった。


大天使、じゃなくって尾白先輩が、天使、じゃなくってセイ(きゃあ♡)

を探しに来たらしい。


はあ、焦った。


「りん……」


「あんた…だって?……の?」


なんて言ってんだろ良く聞こえない、














< 35 / 82 >

この作品をシェア

pagetop