恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
「君は?」

「3年沢口聖矢くんです。今度の文化祭のヘルプを頼んだんです」

さっきまで笑いの渦で悶絶していた部長が、

にっこりとよそ行きの笑顔で、先生に紹介した。


そして、あたしたちに、

向き直ると、

「やあ、沢口君、ウチの部のヘルプ引き受けてくれてありがとう。

まさか君が本当に来てくれるとはね。

歓迎するよ。」


部長が差し出した手をまるで無いように無視して、

あたしを起き上がらせると、

「あんた誰だっけ?」

迷惑そうに返事をした。



「茶道部部長の長束亜衣(なつかあい)だよ。

去年は君と同じクラスだったんだけど?

まあ、

私っておとなしい目立たないタイプだからね、

私は覚えてなくてもしょうがないわね」


それを聞いて、

みんな、「ぶっ」っと吹いた。 


お茶の先生までも。


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