恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
判っていた。

あたしが特別だとか、

そんなのあるわけなかった。


浮かれていたわけじゃないけど、

ちょっとだけ期待した。


「ごめんなさい、部活の途中じゃなかった?」


「あ、もう終わりだから大丈夫です」


その人の手には今朝まで私の手にあったおもちゃバケツ。

そうか、さっそく渡したんですね。


「セイが無理言ったんじゃないかと思って、

 ごめんなさい。

 私が、興味があるなんて言ったから……」


「いえ、あたしもお願いをしたので、

 それにいらないし、あ、いらないものを押し付けたいとかじゃなくっ

 あっ、もう高校生だし、いや、高校生は同じか、

 え~と、怖いもの見たさっていうか、ちがうな、

 興味本位っていうか、あ、え~とっ

あれあれ?……」


「あ、大丈夫、分かるから、

 多分私と同じだから」


「あ、そうですかぁ」
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