恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
クスクスと笑いながら、

おもちゃバケツを差し出して来た。


「これは貰えないよ」


「えっ、でもそういう訳には……」


「大丈夫!セイは、ちゃんと文化祭手伝わせるから」


「えっ、えっと……」


後ろを振り返って見上げると、

天使は「うん。」

と、返事をするように頷いた。


「あ、でも、中身は見せて貰ったの
ごめんね。」


「あ、いえいえ、そんなのぜんぜんいいです。」


「一つ気になるのがあって、

天使のマスコットなんだけど、

あれ初めから入ってたの?」


「あ、ええと私が勝手に入れたやつでして……」


やっぱり違和感あったかな、

他のとティスト違いすぎたかも。


「あ、違うの、いいのよ、責めてるんじゃなくて、

 どこで買ったのかなって思って」


「もしよかったらもらってください。

 私のお気に入りなんです。

 結構持ってって、

その、沢口先輩に似てて……」


「ほんとだ……セイそっくり。

 セイに似てるから沢山持ってるんだ?


 そっか。」

ふふふっ

と笑うと。

天使をつついた、


「なんだよっ」

天使はぶつぶつ言いながらすごくうれしそうで、

あたしここにいていいのかなって、

ちょっと居心地が悪くてムズムズする。


「私がもらっちゃっていいの?」

「え、え~と、はい!」


「ありがとう、

 本物のセイをよろしくね」


用事があるから、

と行ってしまった姿を見送りながら、

ざわざわとする胸の音が嫌な気持ちを撫であげる。






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