恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
コイツとももうすぐ別れるのかと思うと、
切なくなる。
女々しいな俺。
「ねえ、セイ、
この間言ってたこと、
どうにもならないの?」
「無理だな。」
「卒業までいればいいじゃない。
一緒に卒業しようよこの学校」
「わかってねえな、それは無理なの、
俺が在学してるのは向こうのハイスクールなんだから、
9月からの新学期までには戻らないと、また一年休学になっちまうだろ」
「またって、」
「前回、留学一年の延長した時に、
一年休学ってことでここに来てるから、
向こう戻ったら、最終学年やりなおしなの」
「ええっ!こっちの単位認めなれないの?」
「まあ、延長した時点で、それが条件だったから」
「そう……なんだ……
あの子知ってるの?」
「あの子って?」
「だから~」
「あいつには言わない。」
「どうして?」
「いいんだ。俺のことなんてすぐに忘れるさ。それでいいんだよ。」
「勝手だねセイは」
「そうかもな」
日本を離れる前に、あいつに会えたことは、俺にとってラッキーだったのかもしれないけど、
あいつにとっては、そうではなかったかもしれない。
瞳を閉じると、ソラコのはにかんだ笑顔が浮かぶ。
まずいな。
大切なものが増えると、どんどん臆病になる。