恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
その後ろ姿は、夕日に染まって
先輩の背中にオレンジ色の翼がついてるみたいに見えた。
素敵すぎて、泣きそうになった。
夢なら覚めてほしくないって言ったけど、
やっぱ現実感なくて、
一瞬手を伸ばしたけれど、思いとどまった。
その代わりこれ以上ないくらい大きな声で叫んだ。
「先輩また明日お願いします」
振り向いた顔は夕日のせいで表情が見えなかったけど、
「おうっ!」
と返事をして手を挙げた。
この時、私は多分うかれてたんだと思う。
だから大切なことを、
天使が言おうとした悲しい言葉を
正しく聞くことができなかったんだ、
天使の光にあてられて、
自分までそこに立っていると勘違いしたのかもしれない。
ホントに馬鹿な私。
無駄に身のほど知らずだった。