恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
野里奈ちゃんは

「くっついちゃったら」

なんて言うけど、そう言う仲じゃないし。

そう言う対象にはならない気がする。


退屈だけど普通の生活、

それでいいんだと思っていた。



そう思っていた……


あの日まで。




------------



「鏑矢美空さん、いらっしゃいますか?」


昼休むにクラスに訪ねてきてくれたのは、


「わ、大……っちがっ尾白先輩っ!」


「教室まで来てごめんなさい。

 ちょっとお話したいことがあって、

 時間は頂けますか?」


天使がいなくなって、

ほとんど見かけることがなかった大天使様、尾白凛花先輩だった。


以前はずっと天使を目で追ってたから、

一緒にいた尾白先輩を視界に入ってたし、

憧れてたから自然と目で追いかけていた。

同じ学校に通っているわけだから、

きっと最近だって何度も会うことはあったかもしれないけど、


意識的に、

彼に関するものから目をそらしていた気がする。


「はい、大丈夫です」


「お弁当まだなの?良かったら一緒にどう?」


あこがれの人のランチのお誘い。

私は黙ってコクコク頷き、ダッシュどお弁当バックをつかんで、

先輩のもとへ駆け寄った。


不思議だ。

さっきまで色のなかった視界に鮮やかな色が戻った気がした。






< 74 / 82 >

この作品をシェア

pagetop