秋の扇
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「..もしもし。アキ?」
『...おう。珍しいな。お前からかけてくるなんて。。』
「うん...ちょっと、今日話があるんだけど..」
『......話?..バイト終わったらメールしとく。俺行ったほうがいいのか?』
つわりが心配だからなるべく安静にしていたい。
「..なんで、」
『..え?』
「いつもそんなこと言わないのに、」
『..お前からかけてくんの珍しいから。なんかあったんだろ。それでも動かないほど腐ってねーし。』
電話の向こう側で、アキは小さく笑った。
「...うん。来てほしい。丘公園で待ってる。」
『わかった。じゃ..』
アキはまだ死んでない。
確かに随分変わってしまったけど。
時々本当のアキが出るから。
さりげない気づかいが出来て。
優しくて。責任感が強くて。
そんなアキをまだ信じてるから。
私は離れられないんだ。