秋の扇

***

「...もしもし。。」

『イト?どうした?家?』

「うん。ごめんねミワ。」

『うん、?なんかあった?』

「私、妊娠しちゃったよ..」

『...え、?』

「今日ね。アキにちゃんと話して来た。。」

『そんな...っ..』

「堕ろすことになった。アキね、止めてくれなかったんだぁ..」

『...そか......』

ミワの悲しそうな声。

「当たり前なんだけど。最初は戸惑ってたみたいなんだけど。私もちゃんと考え直して。帰るとき、呼び止められなかった。堕ろしてほしいって思ったってことだよね..」

『イト。今から行くから部屋にいて。』

一方的に通話が終了された。
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