秋の扇
わかっていたはずなのに。

きっと心のどこかで期待した。

もしかしたら、アキも同じ気持ちになってくれるんじゃないか。

昔のアキに戻ってくれるんじゃないか。

そんなわけないのに。

しばらくするとミワが家に来てくれた。

「イトっ!」

強く抱きしめてくれたミワが、優しかった。

「...ごめんね。ありがとう..」

「辛いね。。大丈夫だからね。イトにはあたしがいるからね。..今日カツノリくんは?」

「高校の勉強合宿。受験生だから..」

「そっか、。あたし今日泊まるよ。イト危ないから。」

「..ありがとう...」

今日はなんだかすごく疲れて。

ミワに甘えて早めに休んだ。

< 110 / 111 >

この作品をシェア

pagetop