秋の扇
本郷 秋。
小学生の頃からずっと変わらず好きな人。
その存在は中学の同級生しか知らないと思う。
高校で仲良くなった子達には一切話していないから。
もちろんマユコも含めて。
「イト、疲れてる?」
マユコが心配そうに聞いてきた。
「..そんなことないよ。」
「疲れてるよ!顔色悪いし..しんどかったら言ってね?」
「あはは、うん。ありがと。」
「今日は、早めに休んだほうがいいよ。」
「そうかな。じゃあそうしようかな。」
「うん!帰ろう。」
汚れのないマユコの笑顔は本当に私を癒してくれる。