秋の扇

本郷 秋。

小学生の頃からずっと変わらず好きな人。

その存在は中学の同級生しか知らないと思う。

高校で仲良くなった子達には一切話していないから。

もちろんマユコも含めて。

「イト、疲れてる?」

マユコが心配そうに聞いてきた。

「..そんなことないよ。」

「疲れてるよ!顔色悪いし..しんどかったら言ってね?」

「あはは、うん。ありがと。」

「今日は、早めに休んだほうがいいよ。」

「そうかな。じゃあそうしようかな。」

「うん!帰ろう。」

汚れのないマユコの笑顔は本当に私を癒してくれる。
< 8 / 111 >

この作品をシェア

pagetop