秋の扇
「...イト。」
カツノリの大きくて暖かい手。
「兄ちゃんは、何があってもイトの味方だ。困ったらまず俺を頼れ。必ず助けてやる。」
カツノリの真剣な目に、思わず泣きそうになる。
「カツノリ...」
「だけどな。まず、相手の男に、ちゃんと報告してこい。本当は俺が殴りに行きたいんだが。イトには大事な奴なんだろ?」
「...うん。ありがとう。」
カツノリのたくさんの優しさが、支えだった。
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