彼女からの最後の贈り物
「ちぇ、冷たいヤツ~」



冗談っぽく、ニヤニヤしながらそう口にする優。



そんなの…わかってるよ。


だからノリのいい優はみんなに好かれて、冷淡な俺は周りから嫌われるんだ。



そんなこと…わかってるさ。


「ま、教室行こうぜ。」



そう言って俺の肩を自分のほうに抱き寄せた。



「キモイ。うざい」


俺が毒を吐いても歩き出した優の足は止まらない。



あ~、マジでどうして俺は朝からコイツと過ごさなくてはいけないんだ。



ハッキリ言って…


いや、もう言ったけど…


ウザイ。


確かにコイツとは血のつながっている家族であることに間違いはない。



そこは、真実だと受け入れるしかないだろう。



でも、どうしてそれなら。


家族であるこいつを俺は一番嫌っているんだろう。



あー、どうか来世では俺たちが離れますように。



なんて、願っても叶うかは定かじゃないけど、な。


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