ヲタク女と呼ばないで!
少し話して泉坂さんは、一階に向かった。レンタル部門は3階の従業員室で、書籍部門は一階で定例があるらしい。

変な感じ・・・。なんか昨日は彼と会っていた女の子をひどく考えていたのに。

だって、少女漫画でヒロインのライバルって、悪女だったり、年増の嫌味な人だったり、とにかく嫌な感じじゃないですか?!

泉坂さん、近所だったら帰りも同じ時間だし一緒に帰ろうって・・・。優しい言葉だなぁ。私、そんな言葉かけられたことなんて、あんまりないよ~。

「おいおい、ぼ~っとしてないで、従業員室に入って入って。」

と、いきなり後ろから声をかけてきたのは、高岡さん、それと後ろには女性の社員さんと思われる人がいた。

「は、はい。すいません!」

私は、そそくさと小走りで、従業員室へ入った。


従業員室に入ると、当然のことながらぎょろっと私に視線が集まる。大学生っぽい人、フリーターっぽい人、やっぱり色々いる~。

どきどき、どきどき・・・。え、あ、ナニカコエヲダシタホウガいいのか・・・な?

私はロボットのように固まった。勢いで、従業員室に入ったけど、言葉が見つからない。

「あ、え、う、あの、あの、部屋間違ってませんよね?」

な、何言ってんだよ私。部屋ひとつしかないのに、何を間違うの!?

あははは。って、一同大爆笑が起きる。うぅ、いきなり大恥だよ。私の顔が真っ赤になるのが分かった。

「新人さんだよね?全然間違ってないですよ。ようこそ従業員室へ。」

って、プチホスト系?いや、たぶん私から見れば普通の人もプチホスト系に見えるんだろうけど、まぁいわゆるちょいイケメンってやつですかね。そんな人が、私をフォロー?いやあ、冷やかしの声をかけて、ちょっと部屋が和やかになる。
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