ヲタク女と呼ばないで!
「はいはい。静かにして。あ、宮城さんはちょっと前に出て。」

と、高岡さんと女性の社員さんが少し遅れて部屋に入ってきた。

「えーっと、まぁ、もう知ってると思うけど、今日から入ることになった、宮城さん。宮城さん、簡単に自己紹介して。」

自己紹介!?私は表情がこわばって、いや~な汗をかく。

うぅ、どうして私はここまであがり性なの~。けど、この第一印象よね!ここが大事なのは知ってるわ!

周りは静まり返る。みんなが私を注目してる!

「・・・・・・・・・が、がんばります!!!」

息が詰まりそうで、詰まりそうで、出た言葉がこれかーーーー!

「あ、いや、宮城さん。一応。名前と、何をやっている人かくらい紹介してくださいね。」

私はまたしても、顔が真っ赤になる。

「す、すいません!ちょっと、緊張しちゃって、あ、だいじょ、ぶです。あ、あの、宮城カンナです!!!美大生です。皆さん、仲良くしてください!!!」

ぱちぱちぱち、あのホスト系の人が拍手してくれると、周りのみんなも送れて拍手してくれた。

ああ、なんだ結構みんないい人じゃん。私は少しだけほっとした。

私は、難関の自己紹介を終え、席に着いた。ふぅ。そして、ちょっとだけ落ち着いて、今日一緒に入る同僚を眺めてみる。

私のほかに4人。男3女1。一人はプチホスト系。名札に阿部と書いてあったのがちらっと見えた。

あとはプチヲタ系1名、普通系1名、そして女の人は私より年上っぽいフリーター系の人。

なんだ、なんかわりと楽しそうじゃない~。

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