ヲタク女と呼ばないで!
「あはは、いやー、私あんまり映画とか見なくて、よくわからないんですよ~。」

と、なんとかごまかす。セーフ!セーフ!?これセーフか!?すでにかなりやばいって!!


「あ、もう私何でも返却できますから!」

といって、私は、たまっているレンタル商品をかき集めようとする。

「あ、そこの商品は持ってかなくていいから。」

「え、なんでですか?」

と、疑問に思って、パッケージを見てみると、おおうっ!これは、いわゆる、その、言いづらいのですが、アダルトビデオと呼ばれる品々ではないですか!!



「さすがに、アダルトコーナーに女性店員が入ったら、お客さんがびっくりしちゃうから。」

と、阿部さんは笑っていた。私は顔から火が噴出しそうに熱くなった。


「いや、アニメ好きで全然悪くないよ。うちのバイトにはやけにアニメに抵抗というか、嫌悪感を持っている人もいるからねー。」

なんと!早くも敵が出現ですか!?やばい、やばいよ~。早くもヲタクとしていじめられる危機が迫っているよ~。

うぅ、この先私どうなっちゃうの~。

ちょっと気分が落ち込んだところで、都合よく休憩。ふぅ。しかし、いきなり敵が出現とは・・・。

「あ、宮城さん、後半からレジいってみようか。」

れ、レジですとー!?それって、新人がやるもんなんですか!?私はやっぱり固まって言葉を失ってしまう。

「だ、大丈夫だよ、そんなに構えなくても。しばらくは、近藤さんが教えてくれるから。」

近藤さんとは、先ほどのフリーターらしき女の子。

「よろしくー。」

と、近藤さんは優しくしゃべりかけてくれる。ああ、なんとも優しい人がいるバイト環境じゃないですか。

小中高と、常にイジメられ経験のある私は、もう涙が出そうですよ。

こんな環境の学校だったら、私だって素直でいい子になっていたろうに~。と、私はそれはそれで、ちょっと悲しくなった。
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